先日、こんな質問をいただきました。
ビジネスをしていくと、自分が何をすればいいのかわからなくなる時があります。そんな時はどうすればいいですか?
というものです。
ご質問、ありがとうございます!
色々考え方はあると思いますが、ブランド戦略的思考の際に活用している考える道具の一つ「3つのセット」というものを今回はご紹介します。
この考え方は応用範囲が広く、使いやすいので、地味な話かもしれませんが、覚えておいてもらえるとお役に立てるかと思います!
3つのセットとは?
3つのセットとはなんなのかというと、世の中のものを3つに分けて観る、という考え方です。
余談ですが、何か物事を観るときには「抽象度」を変えると、その物事の実体が観えるようになります。
問題は発生したのと同じ次元では解決できない。byアインシュタイン
困難は分割せよ。by哲学者デカルト
仕事を細かく分割してしまえば、特に難しいことなどないのです。byビルゲイツ
偉人たちもこんな名言を残しているくらいなので、おそらく大事な考え方でしょう。笑
話を戻しますが、
今回は、3つに分けて観るなので、抽象度を「具体に寄せていく」ほうの考え方です。
では、具体的に3のセットは何かというと、
・マインドセット
・ツールセット
・スキルセット
です。
この考え方は、有名な「7つの習慣」という本を書かれた、スティーブン・R・コヴィー博士が、講演会や講座などで伝えていた内容を元にしています。
何かの成果を出す時にはこの3つが揃っていることが必要
この3つを高いレベルで揃えることを意識してください
というようなことを講演会などでおっしゃっていたそうです。
マインドセット・ツールセット・スキルセット、この3つが揃っているのが大事なんだね!
そうなんです!継続的に成果を出し続けるならこの3つが必要になります。
実際に、世の中で成果を出し続けているものを分析してもらえると”必ず”3つのセットが備わっているはずです。
逆に継続的に成果が出てないものは、何かが欠けていたり、3つ全てのレベルが低かったりします。
実は、僕がビジネスのご相談を受けた際にも、この3つのセットで相手の状況を客観的に把握するようにしています。相手の目的と現状を把握し、この3つに分けて考えて、どこを補うとビジネスが好転するのか?というように、コンサルを行う際にも活用できる内容です。
それぞれのセットについて
3つのセットって、なんとなくイメージはできるけど、具体的にはどんなものがあるの?
3つのセットが具体的にどういうことを指すのかをお伝えしていきますね!
ざっくりとで良いので、このように分けて考えることができます。
◾️マインドセット
・想い・意欲・自信・思考(考え方)・モチベーションなど
◾️ツールセット
・道具・お金・人材・時間・環境・知識など
◾️スキルセット
・知恵・理論・経験・技術など
なんとなくでも、これら3つが揃えば成果が出るイメージが湧きませんか?
どれか一つだけでも単発の結果を出すことはできますが、継続的に成果を出していくには3つを高いレベルで補っていくことが重要になります。
余談になりますが、ブランド戦略ではマーケティングによる単発の結果を求めるのではなく、長期的に続けられるビジネスの構築を目指していくので、この3つをバランスよく補っていくことを重要視しています。
でも、逆に、単発で結果を出せれば良いという場合は、無理に3つを揃えなくても可能、ということも覚えておいてもらえると良いかと思います。
3つを揃えるとはどういうことか?
もう少し具体的に3つを揃えるということ聞きたいです!
わかりました!
例え話で、3つのセットを揃えるとはどういうことかをお伝えしますね!
例えば、
入社したてのやる気のある(やる気だけはある)新人営業マンが、勢いだけで契約をとってきてしまう
ということを聞いたことはありませんか?ビギナーズラックとも言われるモノですね。
しかし、当然ですが、ビギナーズラックはずっとは続きません。。。
では、どうすればここから継続的に成果を出せるようになるのか?
この新人の現状はやる気(マインド)はある。しかし、自社商品に対する知識(ツール)も、営業経験(スキル)も低い。
というのが現状です。
↓
ここから何を補えるのかを考えていきます。
まず前提として、スキルセット(営業スキルなど)を身につけるには経験と時間がどうしても必要になります。
そのため、すぐに補うというのは難しいんですね。
↓
では、ツールセットはどうでしょうか?
自社商品に関して学んだり(ツール)、営業資料(ツール)などを用意するのは、比較的すぐにできることですよね。
そのため、第一歩目としては、ツールセットを補うようにします。
そうすると、やる気というマインドセットだけでなく、正しく必要な情報をお客様に提供できるというツールセットが身についたことになります。
やる気だけよりも、しっかり情報も提供できた方が、成果は出やすそうですよね?
↓
その上で継続して営業を実践し続けます。
そうすると、営業スキル(スキル)が身についてきます。
経験を増やすことでお客様対応力(スキル)も高まりますよね。
実際に経験を増やすことでスキルセットも身につけることができます。
↓
ツールセット、スキルセットを揃えながら営業を行うので、成果も出てくるでしょう、
そうすると、「自分はできるんだ!」という自信というマインドセットがさらに高まっていきます。
↓
継続していけば、より質の高い資料も用意できるでしょうし、営業スキルも高まっていきます。
↓
実際はこんな綺麗に進むことは少ないかもしれませんが、人の成長を3つのセットで分けて考えていくと、成長の道筋が見えやすくなります。
3つ全てのレベルが上がっていくと、最初はビギナーズラックで成果を出していたものが、意図的に継続的に成果を出せるようになる、というわけです!(理論上は)
ざっくりですが、3つのセットという考え方の使い道の一つをご紹介させてもらいました!
3つの揃え方の別の例
3つのセットを揃えることによる自己成長の話をさせていただきましたが、もう一段深掘りをする使い方もご紹介します。
いきなりですが、僕はビジネスを長く続けるには、心のことや、脳のことも知り、うまく自分を付き合うことが、かなり重要だと思っています。3つのセットで言えば「マインドセット」の部分も軽視しないことが大事、ということですね。
では、例えば「ビジネスを続けるための平常心を常に持ちたい」と思ったとします。マインドセットを補いたい、ということです。
そしたら、マインドセットを補うために、マインドセット・ツールセット・スキルセット、どれで補うのか?と、考えたりしていくんですね。
具体的に「ビジネスを続けるための平常心を常に持ちたい」に対してであれば、
【マインドセット】
自分が参考にしている人の音声を聞く、人に話を聞いてもらう、やる気になる言葉に触れるなど。
【ツール】
相談できるコミュニティに入る、気分の上がる持ち物を持つ、良い環境で仕事ができるようにする、心の勉強をする、など。
【スキル】
瞑想の習慣をつける、内観をできるようにする、運動をする、よく寝るなど。
分けて考えることで、できるアイデアが湧いてくるね!
そうなんですよ!深ぼって分けて考えると、いろいろアイデアが出やすくなるので、オススメな使い方の一つです!
3つのセットの応用例
最初に3つのセットは応用例が広いとお伝えしましたが、ここでは軽く他にはどのようなことに応用できるのかに触れておきます。
地味ですけど、本当にこの3つのセットはビジネスを行うなら知っておいて損はない考え方です。
【1、自社の商品・サービスの特性を知る】
自社の商品・サービスの「価値の種類」を3つのセットで分類してみるという方法です。案外、自分の商品・サービスを深く理解している人は少ないです。より深く自社商品・サービスを理解しなければ、お客様に伝えることはできないので、マーケティング・セールスではかなり重要です。
【2、顧客の需要を把握する】
顧客をリサーチする際にも、顧客は3つのセットの何を求めて購入しているのかと考えてみるもの良いです。ニーズやウォンツを把握するときも、3つのセットという基準があると理解しやすくなります。
【3、成長のための現状把握と課題設定】
先ほどの例ですね。自身・他者の足りないものを理解し、何を補うのか必要があるかを考えることで、成長戦略を決めることに役立ちます。
【4、コンテクストの理解】
何かしらの問題や課題を理解するためにコンテクストを3つのセットで解析しすることで問題解決の糸口が見えやすくなります。
【5、市場の理解】
競合や業界No1がなぜ売れているのかを3つのセットで分析することで、市場で求められる価値が理解できます。
【6、人の理解】
人それぞれ、3つのセットの何を大事にしているのかが違います。
例えば、マインドが強い人は考え方を変えれば全てが変わるという思いが強い傾向がありますし、ツールが強い人は外側のシステムや道具にお金をたくさんかけたりします。スキルの人は自信の経験にお金をよく払いますね。目の前の人が大事にしている価値観を知るためにも使用することが可能です。
3つのセット、シンプルだけど、奥が深いんです。
それぞれの方法に関しては、また別の機会に詳しくお伝えできればと思います!
まとめ
今回は3つのセットについてお伝えしました。
何もない状態で物事を考えるというのは難しいです。
そんなときに、今回のような「考えるための道具」を持っておくと、より深く物事を観て、理解することができるようになります。
今回は「3つのセット」というものをご紹介させていただきました!
この考え方を使えるようにしておくと、自分のことや目の前の相手のこと、世の中のことも観えるようになり、理解しやすくなります。
ビジネスにおいては「観る」「理解する」というのは非常に大事なことですからね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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